
元禄一分判金 — 一夜にして変わった江戸の小額金貨
金純度が劇的に低下した元禄の一分判とその影響
対象貨幣: 元禄一分判金
概要
元禄年中、江戸時代の貨幣制度は大きな転換期を迎えていた。元禄8年(1695年)、江戸幕府は貨幣の品位を切り下げるという大胆な政策を実施した。これにより、元禄小判のみならず、一分判金もまたその影響を受けた。この時期、荻原重秀という才覚ある勘定奉行が幕府の財政を立て直すべく、貨幣の金純度を下げる方針を打ち出した。慶長一分判金が持っていた86%の金純度は、元禄一分判金では57%前後にまで低下し、幕府はこれを通じて[出目]と呼ばれる利益を得た。しかし、市中の商人たちはこの変化を見逃さず、古い高品位の一分判を選んで取引に使用するようになった。江戸金貨の種類と見分け方を知ることは、当時の経済活動を理解する上で非常に重要である。



