
朝鮮通宝 — 600年の銭貨空白を埋めた渡来銭の使命
室町から戦国へ、海を渡って日本市場を動かした異国の銅銭
対象貨幣: 朝鮮通宝
概要
朝鮮通宝は、李氏朝鮮の世宗5年(1423年)に鋳造が始まった銅銭である。方孔円形の外形に「朝鮮通宝」の四文字を刻んだこの銭が、朝鮮半島を越えて日本市場に流入したのは室町時代のことだった。日本では、皇朝十二銭最後の乾元大宝(958年)以降、約600年にわたって国産の官製銭が発行されなかった。この「銭貨空白期」を埋めたのが、中国の明から輸入された永楽通宝(1408年鋳造)と、朝鮮通宝などの渡来銭だった。古代貨幣の概説で皇朝十二銭の全体像が把握できる。
室町幕府は1500年代に「撰銭令」を発布し、質の悪い銭や破損銭の排除を試みたが、これは逆に渡来銭が市場に溢れていた証左でもある。穴銭・渡来銭の詳細およびも参照されたい。寛永13年(1636年)に寛永通宝が正式鋳造されるまで、朝鮮通宝は日本経済の重要なインフラとして機能した。で現在の市場価値も確認できる。



