
聖徳太子100円銀貨 — 昭和32年、戦後日本が選んだ「理想の顔」
初の100円硬貨に刻まれた古代の聖人。わずか2年で消えた幻の銀貨
対象貨幣: 聖徳太子100円銀貨
概要
昭和32年(1957年)4月、日本で初めての100円硬貨が発行された。その表面に刻まれたのは、飛鳥時代の聖徳太子(574年〜622年)の横顔だった。推古天皇の摂政として冠位十二階(603年)と十七条憲法(604年)を制定し、法隆寺建立(607年頃)・遣隋使派遣を主導した古代の賢人が、戦後の新しい100円銀貨の「顔」に選ばれた。
素材は銀60%・銅30%・亜鉛10%の合金(重量4.8g、直径26.5mm)。しかしこの聖徳太子の肖像は、わずか昭和33年(1958年)の1年間しか続かず、昭和34年(1959年)には鳳凰図案の新100円銀貨に切り替えられた。近代日本の貨幣史で、この硬貨が位置する時代の背景が確認できる。



