
天保丁銀 — 改革期に生まれた最低純度の銀貨
天保の改革と財政難が生んだ江戸時代の銀貨
対象貨幣: 天保丁銀
概要
天保丁銀は、1837年から1859年まで流通した江戸時代の銀貨で、その鋳造は天保の改革期に行われました。この時代は、幕府の財政難が深刻化し、特に大塩平八郎の乱が発生した1837年は、政治的にも大変動の年でした。天保の改革を指導した水野忠邦は、財政再建を図るために銀貨の鋳造を決定しました。しかし、銀純度はわずか26.96%で、これは江戸銀貨の中でも最低水準でした。この純度の低さは、当時の幕府の財政状況を如実に表しています。慶長丁銀の純度80%と比べ、天保丁銀はその3分の1以下まで落ち込んでおり、当時の経済情勢を考慮すれば、改革の苦肉の策であったことがわかります。天保丁銀はその後、安政6年(1859年)に安政丁銀に移行するまで流通し続けました。



